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パークのこと、いろいろ。

複合遊具の新規準 PlayCode < プ レ イ コー ド> 登場

Posted on 2024.10.21

ぜんぶが、遊び
All for Play, Play for All

遊具公園を取りまくランドスケープ

ストックとしての公園とインクルーシブ

過去整備された都市公園を社会資本のストックと考え、本来の役割であるそのストック効果(子育て・教育、コミュニティ形成、健康・レクリエーション空間提供、防災性向上等)を発揮させるために、過去10年を見ると都市公園整備の建設事業費は55%増加しています。つまり、新規の公園増設はほぼ無いが、既存の公園をアップデートする動きは活発なのです。
また、世界的な潮流に沿った「インクルーシブな社会を目指す」という国家のイニシアティブは、健常な子どもと障害のある子どもといった単純な図式を超えて、年齢(学齢)や人間関係の幅を拡大した”インクルージョン&ダイバーシティ”の実現を目指そうとしており(令和5年G7広島サミット・都市大臣会合コミュニケ:Sustainable Urban Development Ministers' Meeting Communiqué)、インクルーシブな都市公園の整備が加速していることを見過ごしにはできません。

公園における交友関係と公園から消えてしまった子ども達

かつての公園、もしくは子ども達の遊び場においては、縦=年齢の上下という、高学年の「ガキ大将」を中心として幼児、低学年、高学年が混在した状態で遊んでいたものです。また、横=友人、知人、馴染みのない子ども達といった交友関係の同心円が大きく拡がり、公園や遊具という同じ場所を共有したコミュニティが存在していました。一方、かつて受験戦争といわれた学歴偏重の傾向は、昨今の受験塾の増加や塾通いの低年齢化等、留まるどころか収まる気配を見せていません。子ども達は塾通いや自宅学習に時間を取られ、子ども達が公園から消えています。また中高学年の遊びがゲーム機やスマートフォンのゲームに取って代わられでいるのが現状ですが、子どもの「公園における遊び」にその身体的、精神的、社会的発達の意義を認める限りにおいて、また本来の「遊び」とは何かを考えるとき、ゲームがそれを代替しうる同価値として見ることはできないことも明らかなのです。

PlayCodeブランド

ブランドミッション

"「遊び」の本能を刺激し、子どもたちの遊び心を呼び覚ます"

子ども達、特に公園から消えてしまった小学校高学年の子ども達が、再び公園に遊びに帰ってくるように、現代の公園遊具が持つ「大人の事情」を排除し、子どもたちに本質的な遊びの喜びを提供することに焦点を当てます。メーカー都合による直線的城型遊具デザインや、幼児・児童にフォーカスされた原色中心のカラリングや具象的なフォルムから脱却します。さらに、"やわらかい"、"ふわふわしている"、そして"不安定"などの要素を取り入れることで、子どもたちの感覚を刺激し、遊具(遊び)に求められるスリルを楽しみ、チャレンジの達成感を感じることができる遊び場を創出します。同時に、Risk & Benfit Accesmentにもとづき、安全性を担保しつつ遊びの興奮や喜びを最大限に引き出すことを目指します。PlayCodeが提供する「新たな遊びの規準」によって、子どもたちの間で新たな遊びのトレンドを生み出し、再び子どもたちで賑わう公園の再生を行うことをめざします。

子ども達と遊具との関係を見直す

長い間、遊具は子ども達の安全を最優先に考えられてきました。しかし、その過程でスリルや挑戦という視点が後退してしまったことは否めません。私たちはこれを認識し、新しい遊具の開発において、安全性とチャレンジの両立を目指しました。

PlayCodeは、過去の遊具の長所を継承しつつ、より挑戦的な要素を取り入れています。リスク・ベネフィットアセスメントにもとづき、安全性とスリルのバランスが絶妙に保たれたこの遊具によって、子ども達が安心して楽しめるだけでなく、チャレンジによって自信を深め、成長する機会を得ることができるのです。

  

PlayCodeが実現する「遊び(Play)の新規準(Code)」」

構造全てが遊びであるという、次の遊具体系

壁、床、支柱といった構造物という、遊びには間接的にしか関わらないパーツがコストの30%~40%を占めるが、製品の全ての部分が遊べる要素として機能する。

どのような遊び要素も抱合できる、次の遊び体系

これまでの複合遊具はストラクチャーが固定され、盛り込める遊びの要素が限定的である。一方、PlayCodeは全ての遊びの要素を組み込むことができ、様々な遊具を有機的にかつ無限にコネクトできるフレキシブルなシステム。順次拡張
入れ替も可能である。

周りの環境も全て遊びに組み込める、次の遊具体系

どこでも何でも遊びに変えてしまう子どもたちにとって、周辺の地面も含めて全ての環境を遊びとして扱える構造を持つ。「ぜんぶが、遊び」。

成長する感受性に応える、次の遊具のデザイン体系

高学年の子ども達が「何だろう⁉」と感じる異物感とワクワク感によって興味を持てるデザイン。幼児向けの子供っぽいカラーリングとフォルムを排除し、より抽象的思考が発達する小学校高学年以降、大人と同じようなデザインに対する感受性に応えるデザインを導入。

PlayCode:遊びのバリエーション

Risk & Benefit

リスク&ベネフィットアセスメント

遊ぶ子ども自身が予測管理でき、遊びの楽しさや発達・発育に寄与する危険可能性を「リスク」と言い、その逆に予測管理が不能で、発達・発育に関係しない危険性を「ハザード」と言います。子どもたちが生きる力やレジリエンス*を身につけることのできる遊具、遊び空間について充分に考えることが必要です。しかしながら、子どもたちの冒険心や挑戦しようとする気持ちによって生じるリスクが、受容できるリスクなのか、受容できないハザードなのかという判断は難しい問題です。
その判断のために、事前にそのベネフィット(便益・効用)とリスク(事故やケガなど)のバランスについて検討し、診断や評価を行った上で、総合的に判断することを、リスク&ベネフィットアセスメントと言います。
(一般社団法人日本公園施設業協会(JPFA)「こどもと見守る人のために 仲良く遊ぼう安全に」パンフレットより)

PlayCodeでは、小学校高学年の子どもたちにとっての「ベネフィット」=チャレンジングで達成感のある、ワクワクする遊具(遊び)とそれに伴う「リスク」の予測管理について考え、検証し、開発を進めました。
また、階段やスロープを上る「デッキ」という、複合遊具においては一般化、常識化した概念から離れ、直接地面からアクセスできるようにすることで、誰でもがそれぞれの遊具にアプローチ出来るようになります。そして、それぞれの身体能力やチャレンジ精神に合わせて自発的に遊びを楽しむことが出来るのです。


*レジリエンス:「困難や試練に遭っても、しなやかに回復し乗り越えることができる力(=精神的回復力)」